バイブレーションの出しどころ
ミノーに反応しない魚がバイブレーションなら獲れる
では、まずヒラスズキゲームでバイブレーションを用意しておかなければならない理由から。
山田:ヒラスズキゲームではやはりリップレスミノーがメインになりますが、バイブレーションはここぞという時に持っておかないといけないアイテムのひとつであることは間違いないです。
ただ、サブサーフェスやミノーなど、上のレンジのルアーでは反応しない魚もいます。そういった魚を食わせるのに欠かせないのがバイブレーションですね。
つまり深いレンジに魚がいる場合はバイブレーションが強い?
山田:魚のレンジ自体が深い場合もあるし、コンパクトなシルエットにしか反応しない場合もあります。また、バイブレーションの波動じゃないと反応しない個体もいたりしますね。足元からドン深の磯の場所だと、ミノーじゃ攻めきれないので、これもバイブレーションの出しどころになります。
もともとは、先行者の多いシチュエーションで、どうにか魚を絞り出すために使われていたのがバイブレーション。ミノーで釣られた後は、やはりミノーじゃ反応させにくいですからね。
koumeシリーズの良さ
山田さんがヒラスズキゲームで使うバイブレーションは、主にkoume 90とkoume 90 heavyのふたつ。
山田:一般的なバイブレーションだとバタバタ動き過ぎて、特に潮が速い場所だとルアーが動き過ぎたり、流れに負けてルアーの泳ぎが破綻してしまうんです。河川で使う分には良くても、磯だとどうしても使いにくいことがあったんですが、koumeはそれがないんです。
koumeシリーズはボディがスリムで、泳ぎもバタバタし過ぎずタイト。レンジもアクションも、ヒラスズキゲームにマッチしたモデルになっていますね。
koume 90 & koume 90 heavyの使い分け
koume 90は波動が合わない時に
koume 90とkoume 90 heavyには明確な使い分けがある。まずはkoume 90の使い方から。
山田:120〜140mmサイズのリップレスミノーやシンペンをメインに使用していて、あとそれで食わない時はkoume 90にローテーションします。
アクションは、着水したら1〜2秒沈ませてからのストレートリトリーブ。ミノーのレンジのちょっと下の、中層を探るように引いてきます。ルアーは速く巻くのではなく、シンペンを巻くように、ユタ〜っとスローに巻いてくるのがコツですよ。ミノーよりも速めではありますが、ブルブルと手元にバイブレーションが伝わるくらいのスピード感ですね。ミノーではでない、ルアーがバタバタ動く波動、ややうるさい波動を出すことで、食う魚も出てくるんです。
koume 90 heavyは深いレンジからの巻き上げ
山田:使うのは、水深がある場所、足元から深い場所です。ボトムにはシモリがあってそれに波が当たってサラシが出ているようなシチュエーションですね。水深は5〜6m、シモリのトップは2〜3mあるような場所で、そこのまわりでうろうろしているシーバスがターゲットです。
その根の向こう側までキャストして、ボトムまで沈めてから巻いてきます。根にはコンタクトさせないようなイメージで巻いてくるようにしましょう。ボトムまで沈めて、斜めの軌道で巻いてくるとシモリに潜んでいたシーバスが食ってくる感じですね。こちらも巻きスピードはゆっくりめで、手元にルアーの波動を感じるくらいの速さです。
フックシステム
koume 90 heavyはシングルフックにチューン
koume 90 heavyをヒラスズキで狙う場合はフックにもこだわりがある。
山田:ボトムから巻き上げる釣りにはフックをシングルに変えたものを使用しています。着底させるシチュエーションでは根掛かりが気になりますから。
また、深いレンジから上げてくるのでバラシのリスクも高い。それを改善するために、シングルフックに変更しているんです。これは、マダイ用のルアーのアシストフックを代用していますよ。
釣れたシチュエーション
先行者がいてもサクッと良型を2尾キャッチ
先日の釣行でも。山田さんはkoume 90を使用し76cmと60cmクラスをキャッチ。先行者が撃った後でもkoume 90がしっかりと釣果を出してくれた。
山田:エリアは天草の地磯で、春らしい南からのウネリが入っていました。シャローエリアに深いスリットが入っている場所です。他のアングラーがひとしきり流した後の、最干潮前後にエントリーしたんですが、koume 90でサクッと釣れてくれました。76cmと60cmクラスをキャッチ。
足元から伸びているスリットの先を狙ってキャストしたら釣れてくれましたね。ミノーでは食いそびれるような魚も、バイブレーションだとがっつり食ってくることが多い。シルエットが小さいのと、シンキングなのでルアーを吸い込みやすいのかもしれませんね。
バイブレーションを使う際の注意点
1尾釣れたらリーダーは必ずチェックすること
山田:バイブレーションは比重が重くて、巻くのを止めるとすぐに沈んでしまう。ミノーやシンペンと違い、ルアーを漂わせることがしにくいルアーなので、リーダーが根にコンタクトしやすい。
また、ヒットしてからリーダーが擦れるのが早いルアーです。根ズレの多い釣りではあるので、1尾キャッチしたら必ずリーダーに傷が入っていないかチェックするようにしましょう。
まとめ
koumeシリーズは守備の名人
koumeは決してメインになることはないかもしれないが、ヒラスズキゲームにおいてその有効性は紛れもなく存在する。メインパターンをフォローする名脇役として、ぜひkoumeシリーズもボックスに忍ばせておこう。
山田:koumeシリーズは4番バッターではない。7番8番バッターだけどいないと困るルアーです。守備の名人みたいなルアーですね。春だけでなく、シーズンを通して活躍しますよ!
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山田 秀樹 やまだ ひでき
九州ではビッグヘッドの愛称で知られ、熊本県の磯のヒラスズキゲームや河川のシーバス、黒鯛ゲームを得意とする。釣具店勤務で常に現場のフレッシュな情報を提供している。シーバスではデイゲーム釣りが好きだという。
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