fimoTV動画 【トップチヌ? チヌトップ? 真夏の水面炸裂決戦 / 熊本・天草編【2st Round】】
第二戦目の対決地はホームの天草
IMAG編集部(以下、編集部):今回はホームの天草での釣行となりますが、ロケーションとしてはどういう釣り場となりますか?
山田:一日目は天草上島の八代海側。こちらは有明海ほどではありませんが、やはり3mほどの干満差がある潮の流れの速い場所です。この日は風もなく内湾なので波がほとんどないトップ日和ではありました。
編集部:はじめに、PUGACHEV’S COBRAを使っていましたね。
山田:波も穏やかだったので、サイズ的にもアピール的にもちょうど良かったんです。
編集部:前回の小豆島とはまったく違うという話でしたが?
山田:そうですね。前回は小豆島のスロー&止めて誘うという釣りに翻弄されました。しかし、天草…といいますか熊本全域では、止めずに速い展開で食わせていきます。
編集部:PUGACHEV’S COBRAでもバイトはありましたが…。
山田:一日目は出ても乗らない厳しい状況でしたね。今年はベイトも少なくてチヌ以外も釣果は良くない。あと、長チヌ(シーバスの事)かと思ってビビったという…裏事情もありました(笑)
実釣一日目。裏テーマはシーバス(長チヌ)を釣らない事!
編集部:チヌ以外の魚を釣るとマイナスルール。なかでも長さのあるシーバスは、一尾でも釣ると大幅なマイナスになる可能性が高い。これを考慮したゲーム展開だったわけですね?
山田:天草は潮が動かないとチヌも食いが立たないんです。だから、釣れる場所とタイミングが長チヌと同じなんですよ。そこで、いかにして長チヌを釣らずにマチヌを釣るか。これが自分の中の裏テーマだったわけです。
編集部:ちなみにシーバスの事を長チヌと呼ぶのは…?
山田:本命がチヌの時に、外道というのも忍びないじゃないですか。そこで、仲間内ではチヌ狙いでシーバスが釣れると…。あれ? やけに長いチヌですね? ああ、長チヌですね? と呼び合っているわけなんですね~。
編集部:ややこしいですね(笑)
山田:天草では、マチヌも長チヌもこの時期はイワシを食っているんです。だから、どっちが来てもおかしくない。バイトがあってもビクビクなわけなんですよ!
カギとなるベイトは「クルクルイワシ」
編集部:メインベイトはイワシというお話でしたが、カタクチイワシになりますか?
山田:カタクチですね。岸から届く範囲の沖の潮目やブレイクあたりに、水面をクルクル回っているイワシがいるんです。これをクルクルイワシと呼んでいます。
編集部:動画でもクルクル回っているのが確認できました。これはチヌやシーバスに追われているんですか?
山田:追われていなくてもクルクル回っていますね。でも、チヌもシーバスもあれに反応するわけなんです。下にはイワシの群れがいる証拠ですし、魚の活性がアップするカギとなるベイトです。しかし…今年は本当にこのクルクルイワシが少ない。も~っと釣れて良いのに、まったく一日目は釣れませんでした。
編集部:そこで、二日目は有明海側へ移動となったわけですね?
山田:勝敗だけを気にしてる場合じゃねぇなって。焦って情報をいろいろ仕入れた結果、まだ有明海側の方が良いんじゃねぇかな?となったわけです。
実釣二日目。風で波立つ条件が釣果を分かつ
編集部:二日目の有明海側は…かなり風があって波も立っていましたね。
山田:アラマキくんも、この風と波ではトップでチヌを狙ったりしないって言っていましたね。すみません、ヒラスズキで慣れているせいか波やウネリは得意なもので…。
編集部:アラマキさんはワンドで波が少しでも穏やかな場所で釣りをしていましたが。
山田:私はどうしても先へ先へ…いつの間にか岬の先端?といった具合にポイントを進んでしまうんですが、チヌ狙いなら正解はワンド。アラマキくんの方が正しいと思います。
編集部:やはりヒラスズキをしている影響ですか?
山田:普段の釣りでは、チヌもシーバスもどちらもウェルカムで釣りをしていますからね。でもチヌだけを狙うなら…先端へいっちゃダメですよね(笑)
編集部:タックルも二日目はリールを変えていましたね?
山田:一日目はVanquish C3000HG(SHIMANO)。二日目は波立っていたので、若干巻きが速いCERTATE 2510-R PE(DAIWA)に変えました。ラインも0.8号と太くしてパワーゲームに備えた感じです。
最後のタイミングで勝敗を決める一尾をゲット!
編集部:勝負の展開としては、シーバス&フグというマイナスに苦戦したアラマキさん。チヌ45cmと46cmを釣り上げるもマイナスが響き26ポイント。山田さんは二日目の波とウネリが出た状況下、ラスト間近に45cmを釣り上げて33ポイント。結果として第二ラウンドは、山田さんの勝利!
山田:本当に長かった一尾でした。ホームなのに苦戦しすぎだろうと!(笑)
編集部:アラマキさんも、この波でよく出したなぁ…と、言われていましたね。
山田:波には慣れていますから…。でも、これ偉そうに勝利したとは言えないよ(笑)
編集部:掛けたチヌの前に、一回出ていましたよね?
山田:乗らなかったパターンが多かったので…止めたように見えたかもしれないけど、少しだけドリフト気味にルアーを送り込んだんです。
編集部:トップだけど…ドリフト!?そのパターン詳しく教えてください!
ヒットルアー解説 imapopkey 100
imapopkey100
編集部:トップでのドリフトパターンで獲った一尾。その時使ったルアーはimapopkey 100。まずこれを選んだ理由とは?
山田:波が強かったのでアピール力が欲しかったんです。そこで、imapopkey 80やPUGACHEV’S COBRAよりサイズも大きくてスプラッシュでパシャパシャ…とアピールできるimapopkey 100を使いました。
編集部:釣れたパターンを詳しく解説お願いします!
山田:乗らない事が多かったので、少しだけロッドティップでルアーを送り込んで流したんです。そして、ちょっと間をおいてからチョンチョン…チョンチョン…と誘っていく。これの繰り返しで、ルアーを見失っていたチヌにアピールしていったんです。波とウネリがなければそんな事はしませんが(笑)
編集部:でもそのドリフトが効いたわけですね!
山田:トップ縛りじゃなければ、シンペンを使います。波立っている場合は少しだけ沈ませると良いんですよ。
編集部:トップウォーターゲームの範疇からは外れてしまいますが、フォローのシンペンパターン。こちらも解説お願いします!
フォローとしておすすめのシンペンYOICHI 80(プロト)
山田:波があると水面直下を引いていけるシンキングペンシル。これがフォローで活躍してくれます。
編集部:トップではなく水面直下。これだけで大きく変わるんですか?
山田:ほんの皮一枚水面下へ入るだけでまったく違います。アピールという点だけではなく、チヌも楽に吸い込めるからだと思います。まあ、チヌはトップの方が出方はすごいし面白いんですがね(笑)
編集部:おすすめのシンペンは何ですか?
山田:まだプロトなんですが、YOICHI 80。これが良く飛ぶし、センターバランスで水面直下を引けるので良い感じなわけです。トップに出ないチヌもこれをトゥイッチさせていけばバイト率もアップします。
編集部:トップ以外の選択肢としては、シンペンを是非お忘れなく!
対決相手アラマキさんからのコメント
編集部:今回は山田さんの対戦相手となったアラマキシンヤさんからもコメントをいただきました。まず対戦を終えていかがでしたか?
アラマキ:勝ち負けは別として、楽しかったの一言です。そして、瀬戸内とは対極といえる熊本の速く動かすパターン…この違いが面白かった。
編集部:まるで別の魚のよう、そう言われていましたね。
アラマキ:瀬戸内では1mというシャローをチヌが追って追って…3回まで出るチャンスがあると思っていますが、それくらい追尾してくるパターンなんです。
編集部:背びれを出しながら追ってくる姿が印象的でした。
アラマキ:でも熊本は沖のブレイクで水深10mくらいある場所がポイント。いきなり下から突き出るようにトップへ出てくる。これにも驚きましたが、あの波と磯の歩き…いやぁ第二戦は疲れました! というのも本音です(笑)でもさすが山田さん、と思ったのが第一戦も第二戦も最後にアジャストしてチヌを釣ってくる。これがすごいと感じました。
編集部:山田さんの第一印象はいかがでしたか?
アラマキ:本当にビッグヘッド(でかい頭)だなぁと(笑)あと、本当に頼りがいのあるアニキ的なイメージを受けました。第二戦の初日がまったく釣れない…でも、多くの仲間がサポートしているのを見て、すごく信頼されているな…さすがアニキ!って感じでした。あと、悪い状況でも決して重い空気にしない楽しい雰囲気を持っている。すごくプレッシャーはあったはずなんですけど、前向きで面白い。また是非一緒に釣りをしたくなる方でした。
編集部:最後に今後の展開など、一言お願いします!
アラマキ:実釣の後もショップで山田さんと店頭イベントをしたんですが、メーカーは違えど協力していく重要さをあらためて実感しました。チヌもシーバスもライトゲームも、もっともっと盛り上げていきたい。そのための努力をこれからも惜しまず続けていきたいと思いました。
総論&ぼやき「最後は勝ちにこだわりすぎた」!?
編集部:結果的にはアウェイで一敗、ホームで一勝となりましたが、二戦通していかがでしたか?
山田:第一戦は釣れたチヌの数も多めだったし、負けたけどまあ良しとします。でも第二戦は、ちょ~っと勝ちにこだわりすぎてシーバスを避けすぎたせいか…エンターテイナーとして弱かったんじゃないかな?と後悔している部分はありますね。
編集部:一日目から有明海側へ行けばよかった?
山田:そうですね。シーバスが多い、けどチヌもいる。そんなポイントを撃ちまくって行くべきだったかな!?と思っています。
編集部:最後にアラマキさんと視聴者の方へ一言お願いします。
山田:ライトゲームを得意とする方を荒波パターンへ引きずり込んでしまって申し訳ありません!アラマキくんは技術的にもしっかりしているし、釣りへの研究も熱心。もっと評価されるべきアングラーだと思いますし、また一緒に釣りをしたいと思っています。また機会があれば是非!
そして、最後はちょっとチヌの数が少なめでしたが、最後まで見てくれた方々、本当にありがとうございました!
山田 秀樹 やまだ ひでき 愛熊本県在住。九州ではビッグヘッドの愛称で知られ、磯のヒラスズキゲームやクロダイゲームを得意とする。普段は釣具店に勤務し、常に現場のフレッシュな情報を提供している。
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