コンセプト
幅の広すぎないドッグウォークでクイックに誘い出す。
▶︎ 市場にはいろいろなタイプのペンシルベイトがありますが、CHAPPY 100はどのようなコンセプトで作られたモデルなのでしょうか?
ima開発部 篠塚氏(以下篠塚):開発はLipper 90と同様に、鈴木斉さんが涸沼でボラのボイルパターンを攻略するために必要なトップウォータープラグがほしいということでスタートしました。ウェイクベイトとペンシルベイトは、このパターンにセットで必要ということですね。鈴木さんからの要望としては、ボイル撃ちに必要な飛距離が出ること。この釣りはボイルまでルアーが届かないと意味がない。ボイルの少し先に投げて誘い出せるための十分な飛距離が出るように設定しました。
そして速めの動きに対応できる幅の狭いドッグウォークができること。エサとなる多くのボラがいるなかで、スローにルアーを見せるというよりも、クイックな連続アクションでルアーを見せたほうが釣れるという鈴木さんの経験から、このアクションになっています。
アクション
サイドのフラット面がクイックなドッグウォークを可能にする。
▶︎ このルアーを作る際に、どのような点にこだわって開発したのでしょうか?
篠塚:こだわったのは使いやすさ。ペンシルベイトのなかにはうまくドッグウォークさせるのが難しいものもあったりするのですが、このCHAPPY 100は誰でも簡単にドッグウォークをさせることができます。また、水の抵抗が重く、長時間使っていると疲れてくるペンシルベイトもなかにはあります。なので、CHAPPY 100は軽い力で動かせるように設計しました。ボディ形状とウェイトバランス、これでほぼ決まります。側面をフラットにしてあり、アクションしたときにそこで水を受けて、スケーティングしすぎないようにしています。
▶︎ 浮き姿勢はどのような感じになっているのでしょうか?
篠塚:垂直に近い浮き姿勢ですね。ペンシルベイトはアクションを止めたときに喰ってくることもありますので、シーバスが捕食しやすくフッキング率も高い垂直に近い姿勢で浮くようにしています。浮力が強すぎるとバイトを弾きやすくなるので、浮力は低めです。浮かべたときに、ルアーの頭が2〜3cmほど出ている状態ですかね。
アクションは基本的なドッグウォークから速めの連続ドッグウォーク。そこにたまにステイを入れるような釣りがオススメです。ステイはしっかり意識して、1〜2秒は止めるように。ボイルがあった場所で止めたり、いろいろな誘い方を試して、シーバスにバイトさせましょう。
サウンドとサイズ感
ラトル音と飛沫の音がミックスした複雑なサウンドでアピール。
▶︎ サウンドに関してどのような設定にしてありますか?
篠塚:プラスチックとウェイトボールが接触するコトコト音と、金属と金属が接触するカチャカチャ音が混ざった、複雑なサウンドを発生します。また、アクションさせたときのスプラッシュとバブルにもこだわりました。ドッグウォークさせたときに、飛沫と泡を出すことで、シーバスにアピールする要素を増やしています。アクションとサウンド、そして水のスプラッシュで喰わすのがCHAPPY 100です。
▶︎ ボディサイズは100mmに設定されています。
篠塚:どのエリアでも使いやすく動かしやすい大きさということでこのサイズに。飛距離が欲しいという前提で、アクションや浮力を考えながら、ボディの形状を吟味しました。細いものや太いものなど、いろいろ試してこのボリューム感に行き着きました。また、標準で#3フックが付いているので、フッキングも決まりやすくバレにくいと思います。ペンシルベイトはフッキング率が悪く、外掛かりも多いし、ジャレてきて掛かりが浅いということもある。そういったなかで、フックが小さいとやはり不利なんです。
開発で苦労した点
苦労したのは水をまとわせるような生々しい動きを出すこと。
▶︎ ルアーを開発していくなかでどのような点に苦労しましたか?
篠塚:鈴木さんのニーズに合わせたアクションとサウンドを出すのに苦労しました。浮力が強いと水面を滑りすぎてしまったりするし、ボディに水をまとわせるような動きを出すのに苦労しましたね。ルアーを水にしっかりと馴染ませつつも、使っていても疲れにくいようなボディバランスを設定するのが大変でした。
▶︎ ルアーが完成して、鈴木さんからはどのような反応がありましたか?
篠塚:理想的なペンシルベイトに仕上がっているとの声をいただきました。去年は数えきれないくらい涸沼に通って、テストを繰り返して作りこんできたので、単純に出来上がってうれしいですね。良いルアーができたという自信があるので、ユーザーの方に使ってもらって魚が釣れてくれればいいなと思います。
使ってほしいシチュエーション
ボイルはもちろん、ボイルがなくても魚を引っ張り出せる。
▶︎ CHAPPY 100はどのような状況で使ったらいいのでしょうか?
篠塚:涸沼のボラパターンはもちろん、ベイトフィッシュにボイルしている状況や、ボイルがなくても表層を意識しているシーバスがいる状況で使ってほしいです。水面に引っ張り出す力があるルアーなので、ボイルがない状況でもバイトを出すことができますよ。動きと音と飛沫で、少し沈んだ魚も反応させることができるんです。デイゲーム、朝夕のマズメにぜひ使ってみてください。
あとはLipper 90との使い分けですね。レンジでいえば数cmの差なのですが、この差でバイトが出る出ないが大きく変わります。どちらかだけじゃなく、両方試すことでさらなる釣果が期待できると思います。
- PRO STAFF
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鈴木 斉 すずき ひとし
茨城県出身。ショアからのシーバス、ヒラスズキ、ヒラメなどターゲットとする魚種、フィールドは広範に渡る。また、オフショアの釣りにも詳しく、全国各地のパターンに精通。フルタイムプロアングラーとして活躍している職業釣り師。