秋の状況1:秋の河川で特徴的な3タイプのベイト
秋の河川は、徐々に水温が下がってくるにつれてベイトフィッシュのタイプもいろいろと増えていきます。河川の流域によっても変わってきますが、中流~下流域付近では落ちアユが出始め、河口近くや運河だとサヨリ、あと全体的に多いのがイナッコです。この3つのベイトフィッシュパターンをメインに展開していくとなると、ミノーの出番が増えてきます。ここでは、その3つのパターンに絞って秋の河川を解説していきたいと思います。
秋の状況2:水温低下でカビるイナッコ
水温が低下していくと、イナッコの中でも体力が弱い個体はカビてきます。その症状が出たイナッコは弱りきってしまい、それをシーバスがパクパク…と簡単に捕食しているといったシチュエーションがパターンになります。イナッコに付いているシーバスは川の全域にいますので、メインパターンといっても良いと思います。
秋の状況3:初期段階はサイズが小さい落ちアユ
次のベイトパターンは秋の定番ともいえる落ちアユです。結構な上流でも成立するパターンで、多くの方のイメージとしては産卵を終えた大型のアユが弱って川を落ちてくる…といったものだと思います。確かに10月1週目以降の支流筋では、そういった大きいアユが落ち始めますが、9月中旬頃は10~15cmくらいの産卵に絡まない小さいアユが落ちています。この個体は、支流まで入っていった大型とは違い本流筋にいるアユです。産卵を終えていないのに落ちる理由は、水温低下で冷水症にかかったためだと考えられます。
このように落ちアユでもまったくルアーのサイズなどが変わってくるので、時期によって狙い方を変えていく必要があるパターンです。
秋の状況4:河口付近の汽水域ではサヨリ
9月初旬頃からサヨリ付きのパターンも出てきます。主に河口付近や運河で多いんですが、予想以上にサヨリは上までさかのぼっています。目安でいえば海から3kmくらい、もしくはその範囲で、堰堤のあるところはそこまでと考えてください。ただし、大雨などで淡水の影響が濃くなってきたら海側へ出ていってしまうので注意してください。
今年でいえば、8月からもう始まっているので、これからすぐ通用するパターンとなります。この3種類のベイトパターンに対応するのが、これから紹介する3つのミノーです。
おすすめルアー1:komomo SF-110
komomo SF-110
- 全長 110mm
- 重量 12g
- タイプ フローティング
- レンジ 0〜50cm
- アクション ローリング+ウォブリング
- フック #8
- リング #2
- 誕生日 2011/7/18
komomoはイナッコやサヨリパターン、アユにも通用する汎用性の高いミノー。大きさにバリエーションはありますが、110mmがベイトに左右されず合わせやすいと思います。ルアー的にはシルエットがスリムすぎないので、サヨリはもちろんイナッコにも良くて、表層を意識している時に効果的です。港湾にいる群れが濃いサヨリではなく、河川に10~20尾という数が少ない群れのときにボイルしていたりするとチャンスになります。漂わせるように引いて弱いローリングアクションで誘っていけば、ハマってくれます。
また、イナッコは夕マヅメのアシ際、ゴロタなどが良くなります。レンジが30cmくらいとシャローを引けるので、このパターンでも使いやすいルアーです。また、小型のアユパターンでも瀬際のシャローエリアで使っています。
おすすめルアー2:kosuke 110F
kosuke 110F
- 全長 110mm
- 重量 17g
- タイプ フローティング
- レンジ 40〜80cm
- アクション ローリング
- フック #4
- リング #3
- 誕生日 2016/9/15
komomo SF-110に比べると少しレンジが入って、60cmくらいを引けるのがkosuke 110Fです。流れの押しが強い場所で落ちアユを狙っていくならこのミノーの出番です。大きめのリップが流れの強弱などをつかみやすいので、ポイントをサーチしていくのに長けています。
秋田でいえば日が落ちて暗くなってからの雄物川で、流れの変化にピンで付いている場合があります。その変化をサーチしていくのにピッタリなミノーです。
おすすめルアー3:Empathy 90
Empathy 90
- 全長 90mm
- 重量 17g
- タイプ シンキング
- レンジ 20〜60cm
- アクション 可変アクション
- フック #5
- リング #3
- 誕生日 2018/09
新しいルアーですが、komomoとkosukeより下のレンジが通せて、いろんなアクションを混ぜることができる芸達者なモデルです。ただ巻きだとタイトなロールになりますが、アクションの付け方次第で変幻自在。流れを感じながら引いてくると勝手にドリフトして、変化のピンスポットへ流し込んでいく釣りもできます。大体80cm~1mくらいを通せるルアーですが、リトリーブ速度や流し方によっては30cmといった表層を引くことも可能。
昨年のテスト段階では、秋田運河のそれなりに流れが効いた場所で、80cm~1mほどレンジを入れて引いてみると84cmが釣れました。この時はイナッコパターンだったんですが、kosukeで4本釣ったあとにフォローでEmpathy 90を使ってランカーをゲットできました。表層も流せるので、イナッコ付き以外でもサヨリ、小型の落ちアユパターンでも活躍してくれると思います。
まとめ
秋はベイトの種類も数も豊富。しかし、魚の数が多いだけにポイントの見切りを早くするのがコツとなります。魚のスイッチも入りやすいけど、レンジもころころ変わりますのでkomomo SF-110、kosuke 110F、Empathy 90と3つのミノーをローテーションして攻略すれば、良い釣りができるはずです!
- TESTER
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加藤 宏崇 かとう ひろたか
秋田県在住。雄物川のリバーシーバスや秋田運河をメインに男鹿半島での磯マルやサーフゲームなどを得意とする。シーバスは年間250日以上釣行する現場主義のエキスパートだ。
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