ポイント解説:南西風の影響で港湾でも磯に近い状況
取材前は磯へ入るとお話していましたが、実際には港湾での釣り。その理由とは?
加藤:釣りをした場所は男鹿半島なんですが、この半島の磯周りでは尺までが狙えるんです。大きいので揃えていこうと思ったんですが、取材日は南から強い風が吹いて波をかぶって無理だと判断しました。そこで、前日までのプラでこの漁港を見付けたんです。
この漁港は良く釣れるんですか?
加藤:他の漁港と同じく普段は15cmアベレージで、20cmが出たら優秀。でも、今回のように外海が荒れて時化て外から漁港へ魚が入っていたんです。本当は外側の堤防が良いはずなんですが、プラではあまり良くなくて内側を撃ってみたら良いサイズが出たんです。
それは風の影響なんでしょうか?
加藤:そうですね。沖に堤防があるんですけど、その先端は水深10mあって厳寒期でも大型メバルが越冬しています。そして、今回はその冬の磯パターンと同じくプランクトンやアミ、シラスみたいに小さいベイトフィッシュが南風で港内へ流れてきていました。そのエサをメバルが食べている状況でした。
ポイント攻略法:流れが入り、その際にある藻場が狙い
エサとメバルが港内に入って今回のパターンが成立したんですか?
加藤:メバルはエサが港内へ流れてきて、それを捕食していた感じですね。
そのメバルがいた場所はどこになりますか?
加藤:外海につながる沖堤防の間に船道があるんですが、右側はシャローが広がっているんです。そして、沖堤防やシャローには海藻がいっぱい生えていて、その海藻帯(藻場)にメバルが体を潜めてエサを食べていました。
流れるエサを効率良く食べていた感じですか?
加藤:そうですね。南西風や潮流がしっかり入って表層をアミなどが流れれば、表層でメバルが食っていました。沖堤防の近くに白いブイがあったんですが、そこにシャローが張り出していて、水深も変化していました。そこで流れも変わっていたので、その周辺をメインに攻めていった感じです。
ルアーテクニック:風で藻場へ流していくウィンドドリフト
実際にどうやってアプローチしていったんですか?
加藤:まずは白ブイ近くへ表層系のルアーをキャストします。それからシャローの藻場の際を通していく感じで風に流すドリフト…表層のウィンドドリフトで釣っていきました。
実際にどうやってルアーを動かせば良いんですか?
加藤:キャストしてから一回ロッドでルアーをクッと下げてレンジを少し入れます。それからはギリギリテンションを保つくらいで巻いて止めて…を繰り返して漂わせていきます。
リトリーブ速度だけで操作していたんですか?
加藤:シーバスでもそうなんですが、自分はナイトゲームでリアクションを取りたい時は巻きスピードで調節する「可変リトリーブ」で操作します。ロッドティップでやるとルアーが跳ねすぎてしまったりしますので、ドリフトしつつリールを1/4巻いて止めて…という感じですね。
これでほとんど釣っていた感じですか?
加藤:流れがある時は、この釣り方でした。でも、風が変わったり潮流が入ってこない時はトレースコースを変えていったりしていました。
手前の堤防際などを通したんですか?
加藤:左側の消波ブロック際にも海藻があって、そこでも釣れました。でも流れがしっかりしていない時には、右側の藻場際へキャストして流したりもしました。
いろいろとコースを変えていったんですね。
加藤:急に東寄りの風になったり、流れも風も緩くなってしまう時がありましたから変えていきました。反応がなくなってもメバルはいなくなるのではなく、藻場の中へ入ったりスイッチが入っていないだけなんです。だから、状況と活性に合わせてコースやレンジを変えていけば食ってくるんです。
ルアーローテーション:スレにくいルアーを表層で通してからレンジを下げる
2〜3尾釣ってルアーを変えていましたが、その理由を教えてください。
加藤:何箇所もラン&ガンしていくなら、アピール力の高いルアーを使うのが効率的です。でも、1箇所で粘る場合はなるべくメバルをスレさせたくない。そこで、なるべくスレさせないようにアピールが強すぎないルアーを表層で使っていました。
表層から攻めていった理由は何ですか?
加藤:元々、活性が高いのは表層で食ってきますが、今回のように表層をエサが流れたり、小雨くらいなら他のライズと思って活性が上がっています。こんな時は、表層でルアーをプカプカ浮かせて漂わせていくだけでメバルのスイッチが入って食ってきます。
表層系のルアーは3つ使っていましたね。その使い分けは?
kosuke 35F(プロト)
加藤:表層を動かさなくても漂わせていけるkosuke 35F(プロト)をまず使っていました。レンジ的には巻かない状態で一番上を通せる感じです。本来はロールだけになるらしいですが、プロトの状態ではタイトで弱いウォブル。パタパタと動かないので場荒れせずに長くバイトが続きます。
Aldente 70S
加藤:最後に使用しましたが、巻かない状態でレンジ的にはkosuke 35F(プロト)より若干入る感じです。バチ抜け用ルアーですが、泳ぐか泳がないか…という使用した表層系では一番大人しいアクション。このギリギリ水を噛むくらいのV字引き波系のバチ抜けルアーは、メバルにすごい効果的なんです。
開発中シンペン(プロト)
加藤:表層系で使用した中ではレンジ的に一番入るルアーで、アクション的には3つの中で中間。kosuke 35F(プロト)とのローテーションで入れていった感じです。
沈むルアーはどんな状況で使用していましたか?
meba CALM
加藤:風が止まって表層が流れなくなってきた時、メバルが表層を意識しなくなったんです。そのためメバルの意識しているレンジは下がりました。そこで、中層からボトムをmeba CALMで通していった感じです。
加藤:まず飛距離が伸びるので、沖堤防のブロックの藻場へきっちり届かせていきました。そしてフリーではなくテンションを掛けてフォール。大体10〜12秒でボトムへ沈んでいたんですが、7秒カウントで中層を流していきました。それで表層ではなく藻場にいるメバルへアピールしていったんです。
白メバルと青メバル:白は流れが緩い場所、青は流れが効いている場所にいる
今回、釣れる度にブルーバックと言っていましたが、メバルの種類で変えていた事などはありましたか?
加藤:ブルーバック(背中が青い)は青メバル…分類としては黒メバルと呼ばれているんですが、男鹿半島にはこの青メバルと白メバルが良く釣れます。青(黒)メバルは潮通しが良い場所を好んで、白メバルは藻場や岩礁帯などへ居付くことが多いんです。
では種類で狙う場所も変えていたんですか?
加藤:青メバルは潮の流れが効いている場所、白メバルは流れが緩い藻場で釣れていました。ですので流れがそれほど効いていない時は白メバル狙いで、白ブイの気持ちアップ側へキャスト。それから流して藻場付近にいる白メバルを獲っていきました。青メバルは潮の流れが速くなった時に、ドリフトで右からルアーが戻ってくるような時に右側へキャストして狙っていました。でも、青メバルは白メバルより時合いが短いみたいなんです。スイッチのオンオフが激しいので、どちらも狙える立ち位置で釣りをしていました。
使用タックル
使用タックル
ロッド:BLACK STAR S83(XESTA)
リール:STELLA C3000(SHIMANO)
ライン:PE 0.6号
リーダー:Grand max 2号(SEAGUAR)
まとめ
加藤:先輩たちバトンを貰ったんですけど…プラ通り釣れて現時点で10mを達成しちゃいました。最終ランナーの鈴木さんが控えていますが、どんどん伸ばせるところまで伸ばしちゃってください! 正直楽しかったんですけど、このために今年はメバル釣りをしまくっていたので…ホッとしています(笑)鈴木さんあとはよろしくお願いします!
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