シーバスの目線にルアーを
まだ寒さの厳しい2月、このもっとも難しいとも言えるタイミングで行われた実釣から、低水温期のシーバス攻略を紐解いていこう。
晩冬から早春にかけてはまだ水温が低く、風が南西に吹いたり北から吹いたり、風向きが定まらないのが特徴。風向きによって濁りが入ったり、逆にそれがきっかけでベイトが入ってたりと、とにかく変化の多いタイミングですね。
そして、この時期になると、沖からアフターの細い個体の魚が体力を回復しに港湾部に入ってきます。そんな中でも、河川はベイトも安定しているので、いち早くシーバスが入ってくるエリアとなります。
ただ、そのシーバスの活性は高くない。エサを追いかけ回して食うのではなく、駆け上がり沿にステイして、タイミングを見計らって捕食するといった具合です。シーバスは、自分の居やすいレンジから離れてまでは捕食しないのです。
なので、ルアーをいかにシーバスの目の前に通してやるか、レンジを刻んで攻めていけるかがキモになってきます。そのために、潮のタイミングなどを見ながら、いろいろなルアーのローテーションが必要になってきますね。
バチ、ベイトフィッシュ、アミの3タイプのエサを意識しよう
まだ水温の低い東京湾でシーバスを狙うパターンとして上げられるのがバチ抜け。ただ、潮回りや濁り、気温など、状況によってはバチが抜けないこともあります。
そうなると、ベイトフィッシュとアミのどちらかに着くシーバスが多くなりますね。このパターンも把握しておかないと、バチを外した場合に対応できなくなりますね。
また、この時期の特徴として、シーバスのレンジが上ずらないというのがありますので、カケアガリ、瀬周りなど流れの変化のある場所のボトム付近をタイトに狙うようにしましょう。
特に、流れが速いタイミングではボトム寄りに、流れが緩くなったら少しずつレンジを上げるという工夫をしてあげましょう。
ナイトゲームとデイゲーム
この時期でもデイとナイト、両方でゲームは組み立てられます。
ナイトゲームの場合はバチが絡んできますし、ベイトもアミパターンも狙えます。デイゲームの場合は、イナッコ・ボラなどのベイトフィッシュパターン主体になりますね。
強風を避けるために大移動を決意
まずは千葉県・湊川からエントリー。
導流堤を狙い、水深変化のある周辺をsomari 90でアプローチしていった。
思ったよりも潮が流れず、さらに水噛みの良いkosuke 85Fにローテーション。そして、流れが効いてきた状況で、komomo 110S counterにシフトしていった。マイクロベイトはいるもののバチの反応はない。
さらに南西の風が強くなり、風速20mにまでなった。
風による濁りの影響もあり、流石に釣りにならないということで、神奈川県は多摩川に移動することとなった。鈴木さんが多摩川にやってきたのはおよそ10年ぶりだという。
釣れているからというよりは、南西の強い風を避ける意味で、他に行く場所がなかったのだ。この時期に多い南西風は、千葉県の東京湾側は時化てしまって釣りにならないのだ。
ボトムレンジを意識した展開で待望のバイト
ここではブレイク付近に絡むアミを意識して展開。
somari 90からスタートし、橋の明暗部を探っていく。流れが速く、魚がまだ浮いていないと感じ、リアクションの釣りを試す意味でkoume 70にチェンジ。アクションは速巻きだ。カウントダウンでレンジを細かく刻みながら探っていく。
ここでファーストバイト。カケアガリの深いところから浅いところに入ったところで食ってきた。水温一桁という状況での嬉しい1尾だ。
koume 70にヒットした60cmクラス。レンジを細かく刻んた釣りが釣果に繋がった。
さらにkoume 70で同サイズをキャッチ。今度はボトムでのリフト&フォールに反応してきた。この時期らしい、少しスリムな個体だ。
2月のデイゲームで魅せたビッグファイト
実釣2日目。
この日はデイゲームで千葉県・養老川の温排水エリアにエントリーした。
やはり水温が他より高いためか、小さなイナッコサイズから30cmを越すサイズまでまで、いろいろな大きさのボラがいるエリアだ。
ファーストチョイスはSCHNEIDER 18。表層には反応は出ていないものの、ストレートリトリーブで探るとルアーにベイトがガンガン当たってくるのが伝わってくる。
鈴木さんは、そのベイトの濃い部分、よりベイトが多い部分を探しながら釣っていく。まだ低水温期のため、ベイトもボトム付近にポジショニングしているようだ。そして、アカキンにカラーローテーションした次の1キャスト目。待望のビッグバイトが訪れる。
大きく首を振るパワフルなファイトをいなして取り込んだのは、90cmジャストのランカー。晩冬デイゲームのトロフィーサイズに、現場もどよめいた。ベイトをしっかり捕食しており、コンディションも良い。
ヒットルアーはSCHNEIDER 18のアカキン。一番前方のラインアイにセットして使用。
このランカーがファイト中に吐き出したのは、30cm以上はあろうかという巨大なボラ。ルアーに当たっていたのは、このサイズのボラの群れだったのだろう。
この日はこれでは終わらなかった。上げ潮に転じたところで、グッドコンディションの70cmオーバーを追加。
この個体も大きなボラを捕食しており、口からその尾ビレが確認できた。ルアーは同じくSCHNEIDER 18。流れが緩くなってきたタイミングで、その中でも流れの強いスポットを狙い撃ちしてバイトを引き出した。それが、よりベイトの濃い場所ということだ。
SCHNEIDER 18が今回のMVPルアーに
飛距離と操作感、ボトムレンジを効率よく探れるSCHNEIDER18
低水温で魚が浮き切らない状況で、ボトムレンジを効率的に探っていくことができた。ラインアイを後方から前方にすることで、スイム姿勢と波動をよりナチュラルにしたことが、連続ヒットとランカーキャッチに繋がった。
アクションはストレートリトリーブ。潮位と流速の変化、ベイトとシーバスのポジショニングとレンジを常に意識しながら、ルアーをトレースしていくことが重要だ。
その時々でベイトを見極めていくこと
「季節の変わり目となる春先は、暖かい日もあれば、すごく寒い日もある。風が強い日もありますので、強風の時には、なるべく風を受けないようなエリアを探すことが重要です。
また、暖かいタイミングでは、魚も活発に動き回るので、カケアガリ、橋脚、流れ込みなどのスポットにどんどんシーバスも供給されてきます。その時に捕食するベイトがバチなのか、ベイトなのか、アミなのかを見極めながら釣りを展開していってくださいね。」
今回の動画はこちら
鈴木斉 ランカー捕獲!早春の東京湾シーバスゲーム
●使用タックル
ルアー:somari 90 / kosuke 85F / komomo 110S counter / koume 70 / SCHNEIDER 18
ロッド:EXSENCE INFINITY 96M(SHIMANO)
リール:Vanquish 3000MHG(SHIMANO)
ライン:PITBULL 12 1.0号(SHIMANO)
リーダー:EXSENCE LEADER 20lb(SHIMANO)
フック:トレブル SP- MH(がまかつ)
- TESTER
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鈴木 斉 すずき ひとし
汽水湖・干潟・河川でのシーバスから磯場でのヒラスズキゲーム、さらには大型回遊魚を狙ったオフショアの釣りまで、幅広い活躍を見せるマルチアングラー。その時旬のターゲットを追い求めて日々全国の釣り場を飛び回る。
関連動画はこちら
ima(アイマ) / シュナイダー18 水中映像 【FIMO LURE LAB】
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