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辺見 哲也 へんみ てつや
豊富な経験を持つシーバスエキスパートで、東京シーバスガイドでは伝説のカリスマガイドとして名を馳せるほどの活躍を見せる。その腕前は「シーバスは常人の一生分釣る量の10倍はすでに釣ってきた」と豪語するほど。
バイトが出る層を探るための細かいレンジコントロールとルアーローテーション
穏やかな秋晴れの1日、タイドは大潮後の中潮、夕方に満潮からの下げが始まるタイミングで富津エリアに立ち込んでいった辺見さん。まず、この日に登場するルアーのラインナップから。
辺見:干潟で使うのは主に使うのはこの辺り。上から潜る順に並べるとこうですね。
- sasuke 120 裂波
- kosuke 110F
- komomo SF-125
- iBORN 98F shallow
満潮から釣りを始めて、浅くなってきたらよりシャローランナーを投入していくというのがオーソドックスなパターンです。基本的にはシーバスは食い上げて捕食するから、魚の目線よりも上を通してやることが重要になってきます。なので、水深があるからといって深く潜るものを投げればいいというものでもないですけどね。 シーバスはレンジの差で食う食わないがはっきりしていて、10cmのレンジの差の違いで追ってくるけど食わないとか、そういったことがある。なので、その時のシーバスが食ってくる層を探っていくために、細かいレンジコントロールは必要になってくるんだよね。あとは飛距離。この辺りは大きさの割によく飛んでくれるから、重宝しているよ。
では、これらのルアーは具体的にどのように使い分けていくのですか?
sasuke 120 裂波
辺見:sasuke 120 裂波はこの中では1番潜ってくれるモデル。1m近く潜ってくれるから、満潮のタイミングで出番になるね。だから、水深2mでアマモが1mまで生えているような場所ではサスケ。
kosuke 110F
kosuke 110Fはリップがついているから巻き抵抗があって、ロッドから伝わるインフォメーションが多い。よくアマモが漂っているんだけど、ルアーにアマモの切れ端が引っかかった違和感がわかりやすいんだよね。また、コスケは圧倒的な飛距離を持っているのも魅力だね。潮が高くてアマモまで届かない、という場合にもコスケはいいよね。上から80cmまで潜ってくれるイメージです。
komomo SF-125
この中でも中核をなすのがkomomo SF-125。リップがないので、ティップを上げれば表層を引けるし、ティップを下げれば潜っていく。いろいろな層を探っていけるので、これ1つで広く狙っていくこともできます。自分の中では基準になっていて、魚のレンジを探し当てるという役割があるルアーだね。
iBORN 98F shallow
komomo SF-125がサーチだとしたら、アイボーンは食わせ。食うのが表層レンジだと決まったら、これできっちり食わせで狙っていくと。アイボーンはまさに水面直下、極端にいえば1cmレンジを引いてくることができるんです。そこから20cmくらいまでですね。
アマモに引っかからないように、その上のレンジを引いてくる。
辺見:アマモは平らに伸びているのではなく、高さが低いところもあれば、長く伸びている場所もある。その一番高く伸びているアマモの上のレンジを引いてくることが重要です。アマモに引っかかってしまうのは良くないので、アマモの少し上を引いてくるイメージで巻きましょう。アマモのトップの水深に合わせてルアーをローテーションしていく感じですね。
ようやく手にした干潟の1尾。功労賞は干潟の相棒、アイボーン。
辺見:干潟に入る時は、まずは岸際もしっかり探る。岸際にベイトを追い詰めているシーバスもいるかもしれないので、満潮時は手前もちゃんと釣っていきましょう。ベイトはいろいろいて、イナッコ、サヨリ、トウゴロウイワシなど。
この広いエリアから、どのようにエリアを絞り込んでいったらいいでしょうか?
辺見:アマモの位置は毎年変わるので、アマモの生育状態をチェックして、アマモがある場所や無い場所を把握しておく。そして、アマモの生え始めのエッジを狙っていくのが僕のスタイル。立ち位置で水深1m、狙っているのは水深2mでアマモが1mほど生えているような場所ですね。もちろん、潮が引いてくればどんどん浅くなっていきますけどね。
なかなか当たりが出ない時間が続き、潮が引くとともに徐々に沖に出ていく辺見さん。干潮が近づいてきたタイミングで、ついにヒット。60cmクラスのヘルシーな個体だ。
辺見:かなり沖に出て、アマモの濃い部分を狙いました。沖のアマモが密集するエリアでは、シャローレンジを快適に引けるアイボーンの独創場となるんだ。アイボーンで獲れる魚が完全に増えたよ。
アイボーンはどのようなアクションになるんでしょう?
辺見:スローに巻けばロール主体のウォブンロール。巻く速度を上げればウォブルアクションが強くなっていきます。速巻きには対応しておらず、早く巻きすぎると水面に飛び出てしまいますね。潜りすぎないように設計した結果、速巻き性能は捨てた形ですね。
ルアーもかなりローテーションしていましたね。
辺見:カラーを結構変えていたんだよね。 今日みたいに透明度が高く、月明かりが強い時は、いつも黒系やナチュラル系をチョイスする。でもなかなかそれで出なかったんだよね。だから濁りで効きやすいクリーミーチャートを試したら釣れました。やはりカラーはいろいろ試して、その日の当たりカラーを見つけていくことが大事ですよ。
この日はシーバスが薄く、なかなかバイトが遠い状態であったが、そんななかでも最後にはしっかりと釣果を出した辺見さん。レンジによるルアーの使い分けとそこからの細かいレンジコントロール、さらにその日にあったカラーチョイスなど、ぜひ辺見さんの釣りを参考にして、これからの干潟の釣りに参考にしてほしい。
【仕様タックル】
- ロッド:shibumi IS-90ML(ima)
- リール:エクスセンス4000XGM(シマノ)
- ライン:ミッションコンプリートEX8 1号(シマノ)
- リーダー:エクセンスリーダーEXフロロ25ポンド(シマノ)
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