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山田 秀樹 やまだ ひでき
九州ではビッグヘッドの愛称で知られ、熊本県の磯のヒラスズキゲームや河川のシーバス、黒鯛ゲームを得意とする。釣具店勤務で常に現場のフレッシュな情報を提供している。シーバスではデイゲーム釣りが好きだという
流れに潜む海峡のパワフルなシーバスを狙い撃て!
熊本の天草といえば、緩慢さが激しく流れが速いというイメージがあるのですが、山田さんはどのような場所でシーバスを狙っていくのでしょうか?
山田:自分がこの時期によく行くのが熊本県の天草エリア。天草周辺は小さい島が多くあって、これからの時期にシーバスを釣るにはその島と島の間にある流れが速くなっている場所がひとつ狙い目になってきます。具体的には、岩盤やゴロタ浜、小磯系のポイントが多いですね。ちなみに、僕らはこういった場所で釣れるシーバスを、瀬戸シーバスと呼んでいます。
晩秋になると河川に入っていたシーバスが産卵のために、徐々に海の深場のほうに落ちていくのですが、その通り道になる海峡でエサを食べながらシーバスが回遊するのがこういった場所です。このときのベイトとなるのが20cmほどのコノシロ。これに合わせてゲームを組み立てていく感じですね。
釣っていく場所は、どのようなスポットを狙っていけばいいのでしょうか?
山田:天草周辺は干満差が大きく流れが強いのが特徴で、狙うのは潮通しの良いスポット。4m前後水位が変わることもあるのですが、だいたい水深5〜10mに掛かるシャローエリアを釣って行くことが多いです。こういった、潮が速くてベイトがしっかりいるような場所には、橋が架かっていることが多いですね。橋が架かっているということは、島と島の間が狭まっていて、流れが収束しやすいということですからね。
そして、ベイトが溜まっている場所は、本流のガンガン流れている場所の近くに発生している反転流。流れが複雑になっているような場所は、地形的に変化がある場所なので、重点的に狙ってみてくださいね。流れがある方がいいと言いつつも、天草エリアは大潮と小潮では大きく流れの強さが変わります。流れは強ければいいというものでもなく、あまりに流れが速いとベイトも溜まりづらくなってきますし、かなり釣りにくくなってくるのでNGです。そのときの潮流に応じて、程よい流れの場所を釣っていくようにしましょう。
コノシロに合わせた大型プラグが主力に
では、具体的に使っていくルアーを教えてください
komomo SF-145 & sasuke 140 裂波
山田:メインのルアーになるのが、komomo SF-145 と sasuke 140 裂波の2つ。komomo SF-145 は浅いレンジを引いてくることができるモデルで、コノシロの周辺を通すように使います。コノシロがルアーにゴツゴツ当たるようになってきたら、そのスポットは狙い目ですね。水面下、30〜40cmレンジを引いてくるようなイメージで使うのが komomo SF-145です。sasuke 140 裂波は、コノシロのいるレンジが低いなというときに登場。天草は流れが強いためあまり潜っていかないので、だいたい60〜80cmレンジを引いてくるような感じですね。特に、コノシロの群れの下を通してあげたいときはsasuke 140 裂波を使いますね。
kosuke 110F
60cmくらいのレンジを引いてくるように使うのですが、動きはロール主体ということで波動を変えて誘いたいときに使います。ナチュラルなアピールで、komomo SF-145とsasuke1 40 裂波の中間のレンジを引いてきたいときはこのルアーの出番です。
100mm以下サイズルアーも忘れず用意を
必ず大きいルアーばかりを使うわけではないのですね。
YOICHI 99&HONEY TRAP 95S
山田:コンパクトシルエットで飛距離が稼げるシンキングペンシル系はやはり欠かせませんね。とくにYOICHI 99は飛距離に優れており、“沖でボイルしているんだけどなぁ”という状況で使います。フルキャストして着水と同時に水面直下を引いてくる感じですね。ボイルフィッシュ、沖の表層にいる魚にはYOICHI 99ですね。HONEY TRAP 95Sはもう少し下のレンジで、コノシロの群れの間をヨタ〜と流しながら狙います。ミノーだとあと一歩届かないという状況で、シンペンはやはり持っておきたいです。
Rocket Bait 95 Heavy
これも沖の魚を狙うのに使います。アクションは強めで、水をブルブルと掻き分けながら泳いでくるのが特徴で、こちらも表層付近を狙う釣りに使います。シンペンでナチュラルに誘うのか、それともRocket Bait 95 Heavyのアピール力で誘うのか、そのときの状況でいろいろ使い分けていくことが重要です。どのルアーもなるべくゆっくり巻いてあげて、シーバスから見て見失わないように巻いてくるようにしましょう。これからの時期はサイズが狙えるのも大きな魅力。80cmクラスは普通、90cmクラスが狙えるのはこの時期ならでは。ベイトと潮の関係をしっかり吟味して、上に紹介したようなルアーを、状況に応じて使い分けていけば、きっと90オーバーの瀬戸シーバスに出会えるはずですよ。