マグロ専用にプロデュースしたのがBanett 190F ツナチューン
オフショア専用に幅広く活躍するBanettに、マグロ専用に木下さんがチューンを加えたのがこのモデルだ。具体的にはどのような点が変わっている?
木下:通常はオーナーばり社のST-66 STINGER TREBLE #2/0に合わせて設定しているのですが、マグロを狙うときはなるべく大きいフックを付けたいので、#3/0フックに合うように浮力を設定しています。
ワンサイズ大きいフックを付けると、それだけ浮力がなくなる。すると、水面に浮かべたときにほぼ垂直に立って波に乗って揺らいでくれるんです。そのアクションを狙ってチューンしたのがこのモデルですね。
水面でアクションを加えず、浮かべておくだけでマグロを誘う釣りを、“ブラインド釣法”と読んでいます。これはナブラのある状態でもない状態でも効くパターンです。ナブラがないとマグロは釣れないと言われていましたが、今ではこのパターンでナブラがなくてもバイトを取ることが出来ています!
驚異的なマグロのバイト率を誇る“ブラインド釣法”
ブラインド釣法はどのようにアクションさせるのでしょうか?
木下:キャストしたら、ルアーをその場でステイ。止める時間は最低でも10秒、長ければ2分です。2分止めていて出たこともありますから。
出なければ、1〜2回アクションを加えて、また止め直すこともありますが、基本的には出なければ回収。
マグロの場合、スラロームアクションで誘う必要はなく、ブラインド釣法で食わなければ回収でOKですね。新しい場所にルアーを打ち直しましょう。たまに、回収で出てくることもありますけどね。
ステイ中、ルアーはどのような動きになっているんでしょう?
木下:その場で立ち浮きしながら、波や風を受けてローリングします。その場でローリングをしながら、上下にもわずかに動いている。この複雑な動きは、マグロはルアーだと見抜けないんですよね。
自分が何もしない状態を続けるのは案外難しく、やはり不安になってこれを出来るアングラーが少ないんですよ。ほっとけ状態でもルアーが動いていないのではなく、自然の力によってルアーは動いて魚にアピールしてくれているんです。マグロからしたら、デッドリーベイト、つまり瀕死のエサをイミテートしています。マグロにとって一番食べやすいエサですよね。
この釣りはマグロ狙いにはとても有効で、テスト釣行でも、4人で行って自分が6本、他の2人が1本ずつでした。そのうち1人はやはり、このBanett 190Fのツナチューンで釣っていますね。
釣果を伸ばすコツはキャスト精度にあり
同じBanett 190Fのツナチューンを使っていても、木下さんだけバイトが集中してしまう。その差はどこにあるのでしょう?
木下:止めるだけといっても、やはり投げるポイントも重要。
マグロのボイルがあったら、その波紋の中にピンポイントでルアーを落としてやる。このキャスト精度を上げていくことで、釣果は伸びていきますね。
魚がどんどんボイルしてくれていれば問題ないんですが、厳しい状況なときほど、1投で決めないと釣れないという感じです。
ちなみに、ルアーカラーは、光量があるときはメッキ系・ホログラム系。海面が荒れてルアーが見難いときは、視認性が良い蛍光色が良いですね。ルアーが動いているかどうかがちゃんと見えるというのはやはり安心ですよね。
ナブラがなくても水面に出せる釣り、それが“ブラインド釣法”
このブラインド釣法をするようになったキッカケなどはあるんでしょうか?
木下:10年くらい前の相模湾で、なんとなくステイで食ってくるというのに気づきはじめました。
全国各地のマグロゲームをやってきて、釣れることはあっても、その理由がよくわからなかったんです。それで、いろいろ経験を積んでデータを集めていくと、釣れる理由やパターンが見えてきて、この釣りを確立していきました。
これからの夏、ブラインド釣法が効くのはどういったシチュエーションでしょうか?
木下:身近なところで言えば太平洋側のキハダマグロ。これが一番人気があって、やる人も多いと思います。
この時期のベイトはイワシが多いのですが、そのイワシボールにマグロが沸いていれば、そこにBanett 190F ツナチューンを入れてブラインド釣法をすれば高確率で食ってくると思います。
それで、ボイルが終わってマグロが沈んでしまった場合、ほとんどのアングラーはキャストをやめてしまうんです。でも、そこでブラインド釣法を続けるとドカンと出ることも多いですよ。ナブラが消えたからといって諦めてはいけないんです!
ABS素材でBanettを超えるダイビングペンシルはなかなか無い
マグロは多くのアングラーが憧れるターゲット。釣果を出すために何かアドバイスはありますか?
木下:投たいところにちゃんとルアーを届かせるキャスト精度。これが重要なので、キャストの練習をしておくと釣果は伸びると思います。なので、なるべく飛距離を出せるようにしておくといいですね。いかにロッドを曲げてルアーを弾き出すか、ここに意識を置いてキャスティングをするようにしてください。
あとはBanettを信じて投げ続けること。多くのアングラーに使ってもらっているBanettですが、この値段でここまで性能のいいルアーは無いとみなさん言ってくれますね。ダイビングペンシルを、ABSで作るならBanettを超えるのは難しいと思います。それくらい、完成度が高いルアーになっていますよ。
最後に、夏のマグロゲームは暑さ対策を充分にして楽しみましょう。また、大きなフックがついているので、他のアングラーにも注意しながら釣りをしてください。1投毎に、ちゃんと後ろを確認しながらキャストしましょう。船のみんなと声を掛け合って楽しむことが大事ですね!
- TESTER
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木下 真 きのした まこと
愛知県在住。遠州灘をホームにオフショアキャスティングゲームを楽しむ。特にマグロキャスティングにおいては大きな自信を持つ。遠征釣行にも足繁く通っており、全国の海でロッドを降ってきている。
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