トップチヌの基本
夏はベイトフィッシュを捕食するようになるからトップで釣れる
まずはトップチヌの基本から。トップチヌの最盛期は?
山田:トップチヌの最盛期は、梅雨明けから始まって、9月の上旬くらいまでです。ターゲットとなるのがいわゆるクロダイとキビレの2種類。簡単な住み分けとしては、クロダイは海に多くて、キビレは川に多いイメージです。クロダイの方が塩分濃度が高い場所に多く、キビレは汽水域に多い感じですね。
なぜクロダイは夏になるとトップで釣れるようになるのでしょう?
山田:春のうちはカニや貝などボトム系のエサを食べていることが多いのですが、夏になると小魚系を意識しだすんです。カタクチイワシを捕食するようになって。海水温の上昇に伴って酸素濃度が薄くなった時に、群れから外れた弱ったイワシの小さな群れなどを、クロダイは積極的に捕食しています。なので、夏はトップウォータープラグで釣りやすいんですよね。
では、トップチヌが成立するのはどういった場所なんでしょうか?
山田:ボトムがゴロタであったり岩盤だったり、ハードボトムがオススメですね。キビレは砂地でもいたりします。水深は深い場所からでもチヌは上がってきて水面を割りますよ。なので、水深は浅い場所でも深い場所でも可能性はあります。あとは潮切れの良いところ、つまり、ちゃんと流れがある場所ですね。流れがあるというところは流れのヨレや反転流など、チヌがいやすい場所ができますから。そして、ベイトフィッシュがいることが重要です。地形と流れとベイト、この3つを意識してエリアを探してみてください。
トップチヌその1:AIRACOBRA 60
連続アクションで誘うアピール力高めのチヌポッパー
ここからはトップチヌのルアーについて。まず先発として登場するのは?
山田:シーズン初期から登場するのはAIRACOBRA 60です。シーズン初期は強めのアピールから入って、アクションを弱めていく方が効果的なんですよ。AIRACOBRA 60はただ巻きでもポップ音を出すことができて、ビギナーの方でも使いやすいモデルです。ヘッド形状がカップではなく横に水を逃がす形になっているので、勝手にアクションしてくれるんです。アクションは、ゴボゴボゴボという連続したポッピング。ロッドを構えたままリーリングするだけでこのバブリングアクションが出ますよ。基本は止めないでずっと動かし続けることが重要です。チェイスがあっても止めないで、そのまま動かし続けてください。ポーズを入れるとチヌは見切ってしまうんですよ。岩盤エリアではとくに強いルアーですね。
AIRACOBRA 60
- 全長 60mm
- 重量 7g
- タイプ トップウォーター
- アクション スプラッシュ
- フック #10
- リング #2
- 誕生日 2014/4/10
トップチヌその2:imapopkey 80
ただ巻きと不規則なドッグウォークアクションを織り交ぜて
imapopkey 80はどのような時に活躍するのでしょうか?
山田:ちょっと波気だった時に使うのがimapopkey 80。ただ巻きでは水面を左右に首を降りながら進んできて、これでも十分釣れます。ロッドをチョンチョンチョンと動かしながら巻いてくると、ピシャピシャと小魚が水面を逃げるような音を出して頭を振りながら泳いでくれます。ただ巻きの中に、ロッドワークでイレギュラーなドッグウォークアクションを入れてやるのが良いと思います。この首振りとスプラッシュ音がimapopkey 80の魅力ですね。アピール強めのAIRACOBRA 60、比較的ナチュラルなPUGACHEV'S COBRA 60、その中間的な強さのルアーがimapopkey 80です。
imapopkey 80
- 全長 80mm
- 重量 9g
- タイプ トップウォーター
- アクション ドッグウォーク&ウェイク
- フック #6
- リング #3
- 誕生日 2010/6/21
チヌトップその3:PUGACHEV'S COBRA 60
ロッドの構え方で誘いと食わせを意識的に操作
アピールのAIRACOBRA 60、不規則ドッグウォークのimapopkey 80。ではPUGACHEV'S COBRA 60はどのような出しどころがあるのでしょう?
山田:PUGACHEV'S COBRA 60はこの3つの中では最もナチュラルなモデル。警戒心が強い場合、よりスレたシーズン終盤はこのルアーから入ることが多いですね。これは常に動かし続けるルアーで、チョンチョンチョンと連続したアクションを加え続けてドッグウォークさせてください。ロッドを縦に動かすのと、ロッドを横に寝かして動かすのと、2種類の動かし方があります。ロッドを縦に構えると、水面をややスキップしながらアクション。こちらはより食わせ方向の動きですね。もっと広範囲に誘いたいときは、ロッドを寝かして動かします。こうするとアクションがワイドになるんですよ。なので、ロッドを横に寝かしてアクションさせて広範囲からチヌを寄せて、チェイスしてきたらロッドを立てて食わせの動きにシフトする、というのがオススメですね。このサイズでもよく飛んでくれて、とても釣れるルアーですよ。
PUGACHEV'S COBRA 60
- 全長 60mm
- 重量 6g
- タイプ トップウォーター
- アクション ドッグウォーク&ダイブ
- フック #10
- リング #2
- 誕生日 2010/8/21
トップチヌで釣果を伸ばすコツ
見切られそうになったら早めにルアーをピックアップ!
チェイスしてきてバイトしない、バイトしても乗らない、そんな時の対処法は?
山田:まず先ほど言ったようにルアーは止めないこと。止めると見切られてしまいますので。そして、チヌを手前まで追わせすぎないこと。チヌは警戒心が強く、アングラーの姿を見るとどこかへ行ってしまうんです。チェイスして食わないなと思ったら、早めにピックアップしてルアーを回収しましょう。それで、再度投げ直せばまだチャンスはあります。チヌは口が高いので、フッキングは強めに。フックポイントをしっかり貫通させれば、チヌでもそんなにバレませんよ。
暑さ対策はしっかりと!
山田:チヌは日中でもガンガントップに反応しますので、デイゲームで楽しむには最高のターゲット。暑さ対策、熱中症対策をちゃんとして、真夏の昼のエキサイティングな釣りを楽しんでくださいね!
山田秀樹 炎のトップチヌ道場
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山田 秀樹 やまだ ひでき
九州ではビッグヘッドの愛称で知られ、熊本県の磯のヒラスズキゲームや河川のシーバス、黒鯛ゲームを得意とする。釣具店勤務で常に現場のフレッシュな情報を提供している。シーバスではデイゲーム釣りが好きだという。
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